海洋教育事例
調査
ドルフィンウォッチング
目的
ドルフィンウォッチングを通じて、自然観察に関する能力を育成する。生態系の頂点にいるイルカから、海の生態系を考えるきっかけにもなります。
特徴・効果
ドルフィンウォッチングは太平洋側が主な海域と思われていますが、日本海側でも能登半島周辺や陸奥湾などで、ミナミバンドウイルカやカマイルカを観察することができます。多くの地域ではドルフィンウォッチングは観光の一環として行われていますが、より詳細に観察することで、科学的な調査にも貢献できます。
イルカは子供たちや多くの市民にとって、とても親しみのある海の生物です。出会う場所や機会は限られますが、ドルフィンウォッチングは海の生物や生態系に興味を持って学ぶ非常に有効な手段のひとつです。
方法
1.場所・時期の選定
日本海側各県のイルカの出現状況は、地元の博物館や水族館に問い合わせればよいでしょう。現状では、能登半島周辺と陸奥湾では、高い確率でドルフィンウォッチングができます。平成30年には富山県沿岸部でも、ミナミバンドウイルカの観察が報告されています。
2.イルカの観察
岸からでも双眼鏡などを使って観察できますが、観光船など船でイルカが泳いでいる近くまで移動することで、個体ごとの詳細な特徴などを観察することができます。
イルカは個体ごとに背びれの形が異なっていたり、家族で群れを形成しています。これらのことを注意深く観察することで、より発展した自然学習につなげることが可能です。能登半島周辺と陸奥湾では、詳しく調べている人たちもいますから、情報を得ることもできるでしょう。
2.観察結果の取りまとめ
単にイルカを見るだけでは、観光で終わってしまうので、観察した結果を取りまとめましょう。
(取りまとめの例)
- 群れの構成:オスメスの比率や家族構成
- 個体識別:背びれなど特徴的な個体を識別し、継続的に観察することで、毎年の来遊状況の把握につながります。また、大きさを目測することで、群れの特徴や家族構成、繁殖状況が分かることもあります。
- 目撃場所のマッピング:目撃された場所と時期を記録し、その理由を探ります。近くで漁獲されるイカや魚の記録を漁協や水産研究所から調べてみるのも興味深いです。繁殖生態について、博物館や水族館から学ぶのもいいでしょう。
応用事例(優良事例)
”陸奥湾のカマイルカウォッチング”
青森県の陸奥湾では、毎年カマイルカも来遊が確認されており、地元の小学校や子供たちのジュニアスクールで環境学習の一環としてドルフィンウォッチングが行われています。観光船や定期フェリーを利用して、イルカの分布状況を調査しているほか、地元の漁師さんなどに聞き取りを行って、ドルフィンマップ作りなどに励んでいます。この調査は、小学校の総合学習として学校全体の取組みにも発展しています。
海洋教育事例
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