海洋生物多様性保全関係機関ネットワーク

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海洋教育事例

体験
釣り

目的

 釣りを通じて、魚を捕る体験をし、魚の種類や生きた魚の扱い方を学ぶことができます。自分で釣り上げた時の喜びは、感動します。さらに魚の種類を調べたり、調理したり、飼育すれば、より魚に詳しくなることができます。

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特徴・効果

 釣りは野外で魚を捕獲する原始的な漁法のひとつで、現在では多くの愛好者がいます。また、生きた魚に触れたり、捕まえたりする経験が少ない子供たちが多くいますので、自分の手で釣り上げた喜びを感じてもらえます。同時に、釣りの仕掛けを作ったり、餌をつけたりする細かい作業も体験でき、魚のあたりに合わせて、自分で釣り上げた時の感動や達成感は大きいものです。魚の姿だけではなく、引きや動きも体感できます。

方法(初心者)

 釣りの初心者を対象とする場合は、一番シンプルな延べ竿での釣りがいいでしょう。経験者や高学年の場合は、リールを使った投げ釣りなどもできるでしょう。場所や釣れる魚などは、釣具店や現場で事前に調査しておきます。また、釣りの道具と仕掛けは主催者側で用意して、セットしたほうが確実です。親子参加で経験者の場合は、参加者が道具を持参する方法もあります。また、釣りの指導員は多い方がいいでしょう。釣った魚は、生かしておく場合はバケツやエアーポンプを用意し、持ち帰って食べたりする場合はクーラーボックスや氷を用意します。

1.場所と季節

 場所は足場の良い漁港や桟橋などが安全です。立ち入り禁止の場所も多いので、注意が必要です。釣り用の施設があれば、それを利用する方法もあります。季節は、海が穏やかな日が多い、春から秋(5~10月)がいいでしょう。場所や季節によって、釣れる魚が違うので、事前に調べておきましょう。雨や風が強い日は釣りがしにくいので、気象情報や現地状況の確認が重要です。

2.釣りの基礎に関するレクチャー

 釣りの方法や注意事項を説明します。また、安全のため、道具を振り回さないとか、危険な魚がいるので素手で触らないことなど、注意します。まず、竿や仕掛けの扱い方、餌の付け方、当たりの合わせ方、釣り上げ方や魚の外し方などを説明しましょう。魚を針から外すこと以外は、比較的早く習得できます。

3.釣りの実施

 範囲と時間を決めて、実施します。落ちると危ない場所では、ライフジャケットを着用しましょう。実際に釣りをしないとわからないことが多いので、指導者がついて教えながら釣り始めたほうがいいでしょう。指導者以外に安全監視員は、分けて配置します。釣り終わったら、みんなの釣果を持ち寄って、魚の種類を調べます。食べたり、飼育しない魚は元気なうちに逃がしてやりましょう。

(必要となる機材)

 竿、仕掛けなどの釣り道具一式、餌、バケツなどの入れ物(エアーポンプ付き)など

(あると便利な道具)

 ライフジャケット、帽子、偏光メガネ(水面のぎらつきを軽減)、タオル、イス(ハンディタイプ)

応用事例

”魚の解剖・調理実習”

 自分たちで釣った魚を教材にして、解剖を行うことで、海の生物に関するさらに充実した学習の場を提供することができます。また、捕まえた魚介を調理、試食することで、水産資源の保全についても学びながら地産地消などの食育を体感できます。

地引網・定置網 海の生き物の解剖実験