海洋生物多様性保全関係機関ネットワーク

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海洋教育事例

体験
海の生き物の解剖実験

目的

 海の生物を使った解剖実験を通じて、体の構造などの生物学的基礎を学び、海洋生物についての理解を深める。

特徴・効果

 近年、学校教育の中で生物実習が減少し、子供たちの生物に対する理解の低下が懸念されています。そのような中、海の生物を用いた解剖や実験は、体験することで生物に対する理解を深めるだけではなく、海の生物の生態や生息する海の環境などに興味を向上させるきっかけともなり、海洋教育としての発展もできます。

方法

1.解剖する生物の準備

 解剖に用いる海の生物の調達は、地元の鮮魚店や漁業協同組合に相談してみましょう。できるだけ地元で獲れたものがいいと思いますが、難しい場合は冷凍品でも代用できます(サンマなど)。参加者が多い場合は、アジやイワシ、サバなど青物が安価で入手しやすい魚類です。参加者が少ない場合は、タイ類やメバル類、カレイ類など、根魚や底魚があると、体の違いを比べられます。さらに、スルメイカやベニズワイガニ、ワタリガニ類など無脊椎動物を解剖することで、魚類と違った体の構造を知ることができます。

2.解剖機材の準備

 生物を入れるバット(ステンレス製もしくはプラスチック製)は底が平たく縁の低いもので、扱う生物の大きさに合わせて用意します。解剖には解剖用のハサミを用いたほうが安全です。高学年であれば、解剖用のメスを使うこともできるでしょう。ほかにピンセット(なければ割りばし)や柄付き針、虫眼鏡、キッチンペーパー、手術用手袋などがあれば、よりよいと思います。記録用のメモ用紙や鉛筆、カメラも一緒に準備しましょう。

3.解剖

 専門家の指導のもと、解剖の方法やコツについて、レクチャーを受けた後、解剖を実施します。解剖しながら生物の体の構造についてスケッチしたり、写真撮影するなど、より効果的な実習となるよう心がけましょう。

4.生物の構造や機能などの説明

 生物の外部形態や各部位の名前や役割を調べます。次に、内臓の名前、位置、形、色などを調べます。違う種類の生き物を解剖した場合は、比較してみましょう。参加者が調べたことや感想などを発表し、専門家からの説明があればさらに効果的です。

5.片付け

 解剖実験が終わった後の片付けも重要な学習です。生物や、使った紙や手袋などを廃棄する場合は分別しましょう。また、食べる場合は、鮮度に気を付けて扱いましょう。さらに、ハサミやメスなどの機材は、洗剤で洗って乾燥させ、次に使えるようにして片付けます。

応用事例

”海の生物の調理・試食”

 解剖実験で使った生物を廃棄するのはもったいないので、身などの可食部を調理して食べてみましょう。塩焼きやみそ汁が作りやすいと思います。ほかの具材や調理器具は事前に用意して、生物の鮮度に気を付けて、解剖実験や調理を行います。

”焼き魚を食べよう”

 内臓を入れたまま、丸ごと調理するさんまの塩焼きなどを用いて、食べながら体の構造を観察します。特に骨の構造を知るには、面白い方法です。箸の使い方を学び、焼き魚の食べ方の研修を兼ねて、親子で挑戦すると面白いですよ。

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